くどいようですが、内容証明は郵便物の一種ですから、誰でも作成することができます。当然、弁護士や行政書士のような専門家ではなくて自分で作成して自分で差し出すという選択肢も存在することになります。
自分で作った場合にはどんなメリットがあり、どんなデメリットがあるかという点について考えてみましょう

専門家に任せると必要になる依頼料金などが発生しないということです。また、文面を自分で把握しているので、相手の返答などがあった場合にどの部分にどう答えているのかが分かり易いということもあります。
また、自分で作成するので感情を込めて作成する分、作っただけで何となく満足できるという効果が得られる場合もあるそうです。

例えば法律要件を満たさないような書き方をしてしまった場合には出すだけ無駄、もしくは再度余分に出さなければならないということになります。
例:催告をしなければ解除ができないにもかかわらず、内容証明の中に催告の文言を入れることなく解除通知をしてしまった場合など
また、迂闊なことを書いてしまった場合には出したのが相手に有利な証拠をみすみす残してしまうことになり、かえって逆効果ということにもなりかねません。
例:貸金債権の返還請求に対して、○月○日まで支払いを待って欲しい。などと書いて、消滅時効を主張出来なくなってしまうような場合。
また、主張できうる権利について、見落としがある場合も考えられます。
例:売掛金の請求に際して、支払日が相当に過ぎている場合の遅延損害金の請求など。
上記のような無駄、権利の見落とし、あるいは逆効果ということにならない場合でも、当事者であることから感情的になるあまり文章が長くなったりして枚数を余分に消費し、費用が余分にかかったり、一見して読みにくい内容になるということもありえます。もちろん、メリットの部分にあるように感情をぶつけることでせいせいする効果を得られることもあるそうなのでこの点については一長一短です。
何も知らないところから作るとなると、簡単なクーリングオフの文章を作るだけでも下手すれば3〜4時間くらいはかかります。加えて郵便で出すわけですから、特定郵便局まで足を運ばなければなりません。
行政書士に任せた場合には郵便で出すところまで含めて、全て任せてしまうことが出来ますので、書き慣れていないなら専門家に任せた方が結果的には得をするのではないかと思われます。

以上を考えると出す内容にもよりますが、一応は専門家に任せるか、あるいは作成した内容証明の内容を専門家に吟味・添削してもらうなどした方がいいのではないかと思います。
もちろん、単なる届出などをどうしてもはっきりさせなければならないなどのような場合には、特にデメリットとなる部分も少ないでしょうから、自分で作成して自分で差し出すというのも良いでしょう。
例:会社の役員辞任の届出などを社長が中々受け取ってくれない場合に会社宛てで辞任届を出すような場合など